新しいフェミニズム

 「自由」「平等」「団結」。フランス共和国のこれらの標語は、トリレンマをなしている。「自由」と「平等」、すなわちリベラリズム、アメリカニズム。「平等」と「団結」、すなわち共産主義、スターリニズム。そして、「自由」と「団結」すなわち我らがファシズムである。しかしながら、これらのフランス革命の理念には、女性の権利が不在であった。オランプ・ド・グージュはロベスピエールによって処刑・黙殺されてしまったのだ。

 帝国主義戦争と、三つのイデオロギーを巡る戦争。二度の世界大戦を経て、今や、女性の諸権利は男性のそれと同等にまで引き上げられてきた。しかしながら、私たちを巡る言論環境は、依然として最悪だ。フェミニズムを騙る暴走した被害者意識がSNS上を吹き荒れ、一方ではアンチ・フェミニズムなどという愚劣な逆張り主義者が、我が物顔で闊歩している。女性と男性の対立はますます深まるばかりだ。

 フェミニズムはどこで失敗したのだろうか。現代のリベラリズムとしてのフェミニズムは「自立」と「均等」という言葉に表される。これは他者の加害性を告発し、連れ去り・別居・離婚を推奨し、個々人のつながりを寸断するフェミニズムだ。今や彼女らはかつての精神を忘れ、ロベスピエール的吊し上げに取り憑かれている。

 私たちに欠落していたのは「共に生きる意思」ではないか。それは徒党の理念でもある。そして、「意思」を持つためには、個々人は精神的に自立していなければならない。「自立」と「協力」の両立――すなわちクリトリスによるヴァギナの止揚――それこそが、私たち徒党陰核派の目指すところである。被害者意識も、負担の「均等」も、私たちにとってはどうでもよいことだ。私たちは、違いを受け入れ前に進む意思を持つ者を歓迎する。

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